借金解決方法の一つである、任意整理(にんいせいり)について、できるだけシンプルに分かりやすく説明します。

任意整理とは法律事務所を依頼した場合に案内される借金解決方法のうちの一つです。

法律事務所で働いていた時の私の感覚では、相談に来られる方のおよそ80%が任意整理を選択して、借金の悩みや不安を解消している印象があります。

特に、主婦の方なんかは任意整理で解決に至るケースがほとんどかなと思います。

主婦のってそこまで借入額が多くならないことがほとんどですので。

間違いなく、最もポピュラーな解決方法です。

破産やなんかと違って、周囲を巻き込むことなく進められ、思ったよりもリスクが少ないことも人気の理由ですね。

ぜひぜひ任意整理がどんなものか知ってもらおう、

とゆーわけで、

  • 任意整理とは?一言でいうと○○のことです
  • 任意整理をするとどれくらい借金の負担が軽くなるの?
  • 都合が良すぎない?任意整理が認められる理由

といった項目順に話をまとめました。

動画でも解説していますので、興味があれば是非(^o^)

任意整理とは?一言でいうと○○のことです

任意整理(にんいせいり)とは一言でいうと、

交渉

のことです。

簡単にいうと話し合いですね。

話し合い自体は、個人でもできます。

今月ちょっと厳しんで待ってくださいm(_ _)m

この程度なら、わざわざ法律事務所に依頼するまでもないでしょう。

個人で電話一本入れれば済む話です。

しかし、そのレベルを超えて…

返済額を今よりも1万円下げてほしいです!

さらに、

もうキツいんで利息も無くしてくれませんか!

このレベルの交渉を個人でやってのけるのはなかなか壁が高いです。とゆーか、ほぼ100%に近い確率で断られます。

無理です!(# ゚Д゚)

の一言で一蹴されるのがオチだと思います。

だからこそ、

個人ではなく、弁護士や司法書士を通して消費者金融やクレジットカード会社と交渉をするわけです。

じゃあ、何の交渉をするかというと、借金の負担が軽くなるような話し合いをするのです。

消費者金融やクレジットカード会社に対して、

このひと支払いがきついから、返済額を下げてくれへん?

あとさ、利息の支払いもきついから、元金のみにしれくれへん?

といった交渉を持ちかけて、借金の負担を軽くなるように話をもっていくのです。

こういった交渉は個人ではまず無理です。

実際に、法律事務所に訪れる相談者のなかには、

自分でお願いしてみたけど全く相手にしてもらえませんでした…

と口にする人もいます。

よくある例として、

とりあえず利息のみの支払いにしてもらいました

っていうパターンを良く耳にしますが、これこそが相手にとって一番美味しい交渉だ、っていうのは分かりますよね?

利息だけダラダラと絞り取ることができますので、向こうにとってはウハウハパラダイスです。

しょーがないですねえ~、じゃあ利息だけでいいですよ

と、電話では優しい口調で対応してもらえるかもしれません。

しかし、赤ずきんに登場する老婆のごとく、その口元はほくそ笑んでいるはず。

向こうの思う壺です。

任意整理をするとどれくらい借金の負担が軽くなるの?

どの程度まで交渉できるかは相手方次第といったところもあります。

ただ、目安としては

60回払いで利息は0

というのが一つの指針です。

具体例でお話したほうがイメージしやすいと思うので、さっそく一つ事例を出すことにしましょう。

例えば、あなたがイ○ンクレジットから100万円をキャッシングしていたとします。

利率18%リボ払いによる返済、

月々の支払いは、そうですね…3万円としましょうか。

このような状況で、あなたが法律事務所に任意整理を依頼すると、利息や返済額はどーなるか?

おそらく以下のようになります。

<任意整理前>

イ○ンクレジット 残100万円 月々3万の支払い(利率18%)

<任意整理後>

イ○ンクレジット 残100万 月々1万7000円の支払い(利息無し)

どうでしょうか?

月々の返済がなんと1万円以上も減りました!

おまけに利息も無しです。

今までは3万円払ってその半分が利息で取られていたわけですが、任意整理後は利息が0です。つまり払ったら払っただけ元本が減っていきます

1万7000円払えばそのまま借金が1万7000円減るのです。

まるで借金にキャスターでも取り付けられたかのように

返済がすいすいと進むようになります。

いったいいつ終わるんだ…

あの気持ちから脱することができるのです。

任意整理をしたある女性の方はこんなことを口にしていました。

任意整理をしてから3年、借金完済まであと2年

借金の額が減っていくたびに精神が落ちついていくのが自分でも分かります

そうなんですよね。

借金って、人をイライラさせたり、思考停止に追い込んだり、子供に当たってしまったり、

心をダメにしてくんですよ。

特に支払日の迫った27日は最悪です。

毎月27日は夫婦喧嘩の日と認定してもよさそうなくらい夫と激しくバトルします。

そんな日々がいつ終わるのかも分からないなんて、ハードモードすぎます。

任意整理は列記とした借金解決方法です

さて、任意整理というものが何となくイメージできたでしょうか?

『整理』って聞くと、何だか難しそうだなと感じるかもしれませんが、

要は、単なる話し合いです。

支払い額下げてよー

利息しんどいから元金のみで勘弁してよー

と、法律専門家を通してお願いする。ただこれだけのことです。

だから、任意整理を一言で表現すると、

返済額や利息の負担を軽くしてもらう『交渉』ということになります。

何だか都合の良い話だなと、疑問に思う方もいるかもしれませんが列記とした借金の解決方法です。

都合が良すぎない?任意整理が認められる理由

任意整理をすることで、返済額が軽くなる、利息が無くなるとなどと聞くと、

そんな都合の良い話があるのか?

と疑問に感じる方もいるかもしれません。

特に利息の交渉が可能な点についてはびっくりされる相談者が多いです。

利息が無くなれば、貸し手側にとっては全く利益を得られなくなるので…

そんなことが本当に可能なのか?

と身構えるのも当然ですし、それは真っ当な感覚でしょう。

実際、法律事務所で借金の相談を受けていても、

利息が無くなる?

なんで?

なんでそんなことが可能なの?

相手にとって良いことないじゃん?

といった質問やご指摘を受けることが多いです。

理由としては、

国(金融庁)も認めているから

という形式的なものもあるのですが、

もっと実質的な理由でいうと、利息がなくなったとしても貸し手側にとってもメリットがないわけではないというものがあります。

はっ? 利息なくなったらメリットないじゃん!

って思うのももっともですが、では、このように考えてみてください。

破産されるよりはマシでは?

例えば、あなたが誰かにお金を貸したとして、相手が破産してしまえば利息はおろか元本まるまるチャラになります。

100万円を貸して、利息含め50万円の返済を受けたとしても途中で破産されてしまえば、回収できたのは50万円のみ。50万円の損害が発生します。はっきり言って大損です。

一方で、任意整理に留まれば少なくとも元本は回収できるということになりますよね?

支払いを苦しいよおー!

なんとか今後の利息は勘弁してくれませんか。゚(゚´Д`゚)゚。

という借り主に対して、

アカンに決まってんがな! 契約は契約だからきっちり利息込みで払いやがれ! てやんでえ(# ゚Д゚)

と、必要以上に追い込んでみても、

じゃあ破産しますわ…

元本も返せませしぇーん\(~o~)/

とバンザイされてしまっては、今度は逆に貸し手側のほうが泣き寝入りをするしかないわけです。

破産は破産法という法律にのっとった正式な手続きですので、必要書類を提出して裁判所がOKすれば、貸し手側がいくらNO!といっても借金は0になります。

それは貸し手側にとっても嫌ですよね?

だったら、まだ任意整理のほうが…という理屈です。

つまり任意整理には、破産されるよりはマシという相手側にとってのメリットもあるのです。

まとめ

任意整理手続について、細かいことは省き、私なりに分かりやすく説明を試みましたがいかがでしたでしょうか。

任意整理について何となくイメージできましたか?

整理、手続

と聞くと何だか難しそうに聞こえるかもしれませんが、本文でも述べた通り、

任意整理=交渉=話し合い

です

また、手続きというほど準備しなければいけない書類もほとんどなく本人確認書類さえあれば事足りる場合が多いです。

利息さえなくなれば…

とか、

今よりもう少しだけ返済額が少なくなれば
(本文で示した通り60分割までなら交渉できる可能性が高い)、

というお悩みをお持ちであれば、任意整理を検討する価値は十分にあります。

特に、今は支払いがきつくて返しては借りての繰り返しになっているけど、借金が5年払いになればもう今後は一切借りないでも完済までいけるはずだ、と思えた方は早めに検討してほしいと思います。

もっと早いタイミングで任意整理に踏み切っておけば

破産せずに済んだのに…

後半の借入は単なる延命(つまり返済のための借入)で、ほとんど意味をなさない借入だよなあ…

という感じるケースは非常に多いな、というのが私が法律事務所で働いていた時の感想です。

おいらは無理に手続きにしろとか(法律事務所に)相談に行け、とかは言うつもりはないです。

ただ、おいらがこのサイトを訪れた人に伝えたいのは、

仮にでいいです

仮にでいいので

任意整理をしたらどうなるか、どこまで負担が軽くなるか、家計がどのように改善されるか、これらを事前に把握しておいてほしいということです。

それもなるべく具体的に数字にして、です。

今は踏み切らずとも、もし仮に○○をすれば具体的にどういった結果が得られるか、家計の支出がいくら減るのか、ローンの返済がいくら浮くのかを知っておくこと、シュミレーションしておくことは家計を守る上でとても大切だと思います。

なぜならば、仮に○○したたら具体的にどうなるかを事前に知っておくだけで、○○に踏み切るタイミングを謝らずに済むからです。

今の社会で情報が大事なのは言うまでもないですが、その情報はざっくりしたものよりも、なるべく具体的な情報のほうがいいに決まっています。

より具体的な情報が頭に入っているほうが、いざという時に行動に移すのが早くなるからです。

知ってはいたけど動き出すタイミングが遅かった…

こういった失敗は世の中にたくさんあります。

タイミングの重要さは何もお金の話だけではなく、受験だって、恋愛だってそうです。

タイミングが遅らせすぎたばっかりに、期待した結果が得られないのはとても悔しいことです。

行動は早めに!です。

的確な情報を得て「仮に○○したらどうなる」をシュミレーションしておくことは、家計をまわしていく上で心強い防御壁になるはずです。

そして、このブログでは任意整理をするのに適切なタイミングを見失わないよう、おいらが債務整理事務所で経験した情報を惜しみなく提供していくつもりです。

債務整理経験者が運営するサイトは、ブログ村などをのぞけばいくらでも見つけられることができます。

しかし、債務整理事務所で実際に生の現場を見てきた者が運営するブログはまだまだ少数なのが現実。

情報は大切です。

行動も大切です。

今回は、任意整理について簡単に説明しましたが、次回から任意整理についてもっと細かい情報を提供していきたいと思います。

借金を完済して穏やかな生活心の平和を取り戻しましょう!