こんにちは、元債務整理事務所勤務のこーしんです。
任意整理はとてもメリットの大きい手続きですが、(受け取り方にもよりますが)やはりデメリットというものはあると思います。
では任意整理のデメリットとは何でしょう。
今回は、任意整理のデメリットについて
- 任意整理のデメリットは?
- ブラックリストは存在する?
- 信用情報とは?
- 信用情報は家族に影響はあるの?
- 信用情報の傷は一生残るの?
- カード使えなくなるのは不安?任意整理後の対策
といった項目順にまとめました。
任意整理のデメリットとは?
任意整理のメリットを端的にいうと
お金が借りられなくなる(カードが使えなくなる)
この一点に尽きます。
逆にいうと、
もう私はクレジットカードを使うつもりはない
お金なんかもう借りたくもないし借りるつもりもない
こう考える人は全く気にする必要がないという結論になります。そのような人にとっては、任意整理にはデメリットらしいデメリットはないでしょう。
現金主義の人やデビットカード派(後述)にとっては、クレジットカードは使えなくなっても特段生活に支障がないですから。
ブラックリストは存在する?
ネットの世界では、
債務整理=ブラックリストに載る、
と説明されることが多く、
不安に思うもしれませんが、この表現は正しいようで正しくないというか…
そもそもブラックリストなんてものは存在しない、
というのが真実です。
ブラックリストって聞くと、
要注意人物の名前がピックアップされた名簿を思い浮かべる人が多いです。
しかし、実のところ債務整理したからといって、
特定の名簿が発行・作成されることはありません。
債務整理をするとブラックリストに名前が載るのではなく、
信用情報に事故登録がされる、
というのが正確な理解です。
では、信用情報に事故登録がされるとはいったいどういうことでしょう。
信用情報とは?
信用情報と聞くと何やら深刻な雰囲気が漂いますが(ネーミングが悪いと思う…)、
しかし名前に惑わされては損をします。
信用情報とは業界内の顧客情報です。
信用情報とはつまり、
クレジットカード会社や消費者金融、銀行の間など、貸金を生業とする業界のなかで共有される顧客情報のことです。
(人生で初めて)クレジットカードを発行したりお金を借りたタイミングで信用情報は作成されます。
カードを作る=信用情報に登録される、となるので、
つまり日本国民のほとんどが信用情報に登録されていることになります。
(ちなみに、奨学金の利用や携帯電話端末の分割購入も信用情報登録の対象になります)
信用情報については貸し手側の立場に立つと理解が早いです。
もし誰か全く知らない人にお金を貸すとすると、あなたは何が気になりますか?
相手が友人知人ならばともかく全く知らない他人にお金を貸すのであれば、
人格や性格よりもももっと目に見える情報、つまり客観的な返済能力が気になるのではないでしょうか?
具体的には、
職業や収入、他にいくら借りているか、これまでの返済状況・実績(人からお金を借りて滞ったことなく返済をしてきたのか否か)、
こういった類の情報が知りたくなるのが通常だと思います。
そして、信用情報には上記で挙げた項目のうち、
他にいくら借りているか、
これまでの返済状況・実績
これらの事実が読みとれる記載がされています(職業や収入は信用情報ではなくて、借入先の融資申込書から判断されます)。
信用情報=顧客情報という事が何となくイメージできたのではないかと思います。
債務整理をするとブラックリストに名前が載るのではなく、
信用情報に事故登録がされる、
っていうのはそういうことです。
顧客情報自体はサービス業であればどの会社でも作成するのが常識ですが(例・Amazon、楽天など)、
いわゆる顧客情報と違うのは、特定の会社のみならず業界全体で共有されるという点です。
で、長期延滞(2ヶ月以上と言われる)や債務整理をすると、
この信用情報の返済状況の欄に「事故あり」みたいな形で記載される仕組みになっているのです。
このことを、
信用情報に事故登録がされる、
信用情報に傷がつく、
などと表現するのです。
信用情報の記載内容が悪いと、その情報を見た融資担当としては、
うーん、この人にはしばらく貸せないなあな
と持たれる心象がイマイチになるのは想像できると思います。
そして覚えておいてほしいのは、
融資担当がチェックしているのは返済状況のみならず、
他の会社からいくら借りているのかもチェックしているという事実です。
当然のことですが、
たとえ信用情報に事故登録はされていなくても、
収入に比しての借入額が膨らんでいけば融資は断られますし、
それまで普通に使えてたカードが停止になる(返済のみになる)、
枠が減額される、
といったことは起きてきます。
逆に信用情報に事故登録されていても、
収入状況が良く収入に対しての借入額が少ない状態であれば融資OKと判断されることもあります(さすがに事故登録直後の借入は難しいと思いますが)。
結局は融資やカード発行の判断は様々な情報をもとに総合判断しているわけで、
信用情報に事故登録がされる=融資審査にあたり大幅な減点がされる、
こう考えるのが正しい理解です。
そしてこの減点の影響は、事故登録からの時間の経過、返済の積み重ね、総借入額の減少などの事情により、
最初は-5点だったのが、-4、-3、-2…と返済が進むに連れて弱まっていく
という点も知っておくべきです。
回復のペースは人にもよりますが、
事務所に相談に訪れた人の話を参考にする限り、
債務整理から4年を過ぎたあたりからカード発行の審査が通ることが出てくるようです。
借入がたまりにたまって残り少ない枠の中で借りたり返したりと、あっぷあっぷして過ごすよりは、
しばらくは辛いかもしれないけど、子供が大学に進学する頃には良い状況でいたいからといったふうに、
信用情報の影響を受け入れつつ、長期的な目線を重視して債務整理をされる方もいます。
しばらくはくカードの利用は難しくなるのが事実です。
だから信用情報のデメリットなんて関係ないよと言うつもりはないです。
とはいえ、何となくのイメージでデメリットを過度にとらえすぎるのも、将来の生活設計の足かせとなりえるはずです。
信用情報は家族に影響はあるの?
直接的には関係ないです。
信用情報は貸金業者と本人以外の目に触れることはありません。
家族といえども他人の扱いをされるので信用情報を勝手に閲覧されることはないからです。
法律事務所もあなたの勤務先も信用情報を勝手に見ることはできません。
但し、間接的な影響はあるかも
直接的な影響は家族に及ぼしません。
但し、信用情報に事故登録がされることで他人の保証人になることが難しくなります。
例えば、旦那さんが車のローンの組むときに奥さんが保証人に立てることがありますが、
そういった時には、融資担当から「奥さん以外の人でお願いできないでしょうかね~」と渋い顔をされることはあるでしょう。
とはいえ、
債務整理をしたから審査が通せないんです、
などと審査不可の具体的な理由までは言われないでしょう。
審査不可の理由なんていろいろあるわけで、債務整理なんてしてなくても収入面に不安があれば保証人にはなれないですから。
よくある質問で、
わたしが債務整理することで子供がクレジットカードを持てなくなるのではないか?
このように不安に思う相談者がいますが、
前述の通り信用情報は個人について判断されるものなので、保証人が求められる局面を除いては影響がないのが一般です。
子供にも信用情報がありますので、個々の信用情報の基づいて融資が判断されます。親は無関係です。
信用情報の傷は一生残るの?
一生は残りません。
任意整理経験者の話を参考にする限り、
再びカードを作れるようになるまでの期間は4年~5年程度と考えて問題ないと思います。
事故登録の記録自体は、
早くて手続きから5年、
遅くとも完済から5年で履歴から削除されます。
任意整理をやって5年かけて完済したとしたら、10年後には消えることになります。
このため、任意整理をした場合のブラックの影響は5年~10年と表現されることが一般です。
(ネットの情報でも5年~10年と記載されていることが多いと思います)
じゃあ任意整理手続後にまたカードを作ろうと思ったら10年かかるのかと言われれば、さすがにそこまでは長引かないのが通常です。
繰り返しになりますが、
信用情報の事故登録はあくまで参考材料の一つです。
事故登録の記載がされている=カード発行不可という公式は間違いです。
(ただ、登録直後はほぼイコールと考えていいと思いますが)
任意整理後にきちんと返済を継続し信用が回復してくると、自ずとその人の総合点は高まっていきます。
そして、カード発行審査の審査を通すための及第点に達するのが、
手続きから4年経過したあたり、
ということなんでしょうね。
破産との比較
破産の場合は、任意整理よりも若干信用情報の影響が強まる傾向にあります。
任意整理であれば、4年経過後あたりからカードの発行の審査が通ってくると言いましたが、破産の場合は7年前後かなという印象です。
カード使えなくなるのは不安?任意整理後の対策
カード決済ができなくて困るのはネットでの買物ですが、
ネットの買物を頻繁にするのでクレジットカード決済ができないと不便だという人は、
デビットカードを発行して利用すれば事足ります。
信用情報の影響は受けないので債務整理後でも審査は通ります。
実は僕も毎日のように三菱UFJのデビットカードを使っているんです。
(デビットカードについては別記事を参照)
https://shakkin-free.com/debit-cards-are-useful-for-debt-resolution/
一般のクレジットカードだと2ヶ月後に請求がきますが、
デビットカードの場合は、カードを切った瞬間に銀行口座からお金が引き落とされるのがクレジットカードとの違いです。
即座に引きとされますので、口座にお金が残っていなければカードは使えません。
なので、審査も不要なのです(信用情報は関係ない)。
利用金額が即座に引きとされるのには大きな意味があり、
1ヶ月~2ヶ月後になって請求がされるクレジットカードと違い、
お金の管理がしやすいのがメリットです。
実際、僕もお金の管理のしやすさが理由でデビットカードをメインに使っています。
クレカの出番はほとんどありません。
口座にお金が入ってないとカードが使えないと聞くと、
じゃあ手持ちのお金がない場合はどーするんだ?
という不安をを抱く人もいるかもしれません。
しかし、当たり前のことですが
現金の範囲内で生活をまわしていくのが生活の基本なので、
そこは覚悟を決めましょう。
それでも気になる方は、
(携帯料金払い式の)AUウォレットというカードがあるので、
AUと契約している方はお守りとして持っておくのも手です。
債務整理(経験者の)ブロガーを見ていても、
AUウォレットをお守り代わりに持っているひとは多いようです。
クレジットカードそのものではないのですが、携帯料金として請求されるので手持ちの現金がなくても使えちゃうんですよね。
但し、あくまでもお守りであって実際に利用することはおすすめしないです。
ブログ村をのぞいてみよう
このサイトを訪れた方の中には
いつもチェックしてるよ!という人もいるかもしれませんが、
ブログ村の借金カテゴリには任意整理経験者の方がたくさんいます。
実際に任意整理をした経験者の方からクレジットカードに頼らずに生活を乗り切るための知恵や情報を得ることはとても有益ですし、
その学びは借金の返済のみならず、将来の資産設計や人生設計にも役に立つはずです。
もし余裕があるなら、読むだけに留まらず自分でも実際にブログをやってみて、債務整理の同士や仲間を作るのも素晴らしいことだと思います。
こんなに多額の借金をしてるのは私だけなんじゃないか
債務整理なんてしたのは私だけじゃないのか
と、自分を責めている人もいるかもしれません。
しかし、ブログ村をの覗くと、
そこには同じ悩みや境遇の人が思いの他たくさんいることに気づくはずです。
ときには落ち込みながら、
ときにはピンチを迎えつつ、
それでも前向きに借金返済に励んでいる人のブログを読むことは精神的な支えになるはずです。
ブログのほか、Twitterを除くのも励みになると思います。是非。
まとめ
任意整理のデメリットは、
お金が借りられなくなる(=カードが使えなくなる)の一点です。
その一点が気になって任意整理に踏み切れないんだよ!
という人はいるでしょう。
あるいは、
任意整理なんてまだまだ! 私はまだ頑張れる!
という人もいるでしょう。
結局のところ、
もう限界!というラインまで引っ張ってから、やっと法律事務に相談に来る人が多いのが事実です。
でもね、
引っ張れば引っ張るだけ、
膨らめば膨らむだけ、
任意整理後の月々の返済額が多くなってしまうのも事実なんです。
タイミングが遅かったばっかりに破産に流れるパターンも数多く見てきました。
債務整理事務所で働いていると、
もっと早く相談に来てもらえれば…と歯がゆく思うことなんてしょっしゅうです。
もっと早く相談に来ればよかったです…
という相談者の声を幾度となく耳にしてきました。
ブログ村やTwitterなどをのぞけば、
あなたと同じくカードローンの返済に悩み、任意整理を決意し、
支出を抑える習慣を獲得し現金の範囲内で工夫しつつ家計をまわしているひと、
毎月カツカツの家計と奮闘しているひと、
晴れて完済し(仲間から)おめでとー!と祝福されているひと、
様々なひとに巡り合うことができると思います。
まずは無料相談から!
と背中を押したいところですが、
そうはいってもデメリットやいろいろなことが不安で躊躇してしまうこともあるでしょう
そんな時はまず、SNSの世界に目を向けてみることをおすすめします。