こんにちは、元債務整理事務所勤務のこーしんです。

任意整理のメリットの一つである、

(かの有名な!?)過払い金についてお話しします。

テレビCMですっかり有名になった過払い金なので、今更という感じもしますが、

過払い金があると

借金の額が大幅に減ったり、

あばよくば、

借金が無くなってなおかつお金が戻ってきたりします。

インパクト大きいですよね(笑)。

各事務所がじゃんじゃんCM流すのも分かります。

債務整理事務所で働いているというと、

過払い金って本当にあるもんなの?

と、プライベートでも友人から質問を受けることがありますが、

ある人はあるし、無い人は無い、

としか言いようがありません(笑)。

では、

どんな場合に過払い金は見込めるのでしょう?

私の場合は過払い金の対象になるのか? ならないのか?

気になる人もいると思います。

とゆーことで、

今回は、過払い金の観点から任意整理のメリットを語りたいと思います。

  • 任意整理でも過払い金があれば元金が減ります
  • 過払い金のある無しの判断方法は?
  • 過払い金が期待できるひとへ、時効には注意しようぜ!
  • ブラックリストを避けつつ、過払い金の調査はできます
  • 【重要】過払い金に惑わされず、リボ払いの破壊力と向き合おう

といった項目順にまとめました。

今回の記事に目を通してもらえると

素人でも過払い金が有るか無いかおよその判断がつくと思います。

任意整理でも過払い金があれば元金が減ります

このサイトでもお話している通り、

任意整理は利息をカットして元金のみの状態に持っていくことはできます。

https://shakkin-free.com/any-organized-merit-interest-zero/

しかし、利息とは違いさすがに元金までは減らすことはできないのが原則です。

但し、例外があって

過払い金が発生する場合に限っては、

任意整理で元金を減らすことが期待できます。

よく聞きますよね、過払い金っていう言葉。

大手の事務所がガンガンCMを流しているのですっかり有名になってしまいましたが、

いまいちよく分からないという人のために簡単に説明します。

過払い金とは要するに

払いすぎの利息のことです。

弁護士や司法書士を目指すのでなければ

過払い金=払いすぎたお金、

このように、ざっくり覚えておけば手続き上は十分です。

例えばA社から100万円借りてたとして、

もし30万円を余計にお金を払っていたことが発覚したら?

だったら70万円っていうことで処理してよ、

って言いたくなりますよね。

つまり、

「払いすぎたお金=過払い金」が発生していれば、任意整理をすることで利息のみならず元本まで減らせるわけです。

法律事務所は相手方から取引履歴(借入の記録)を取り寄せた時点で過払い金の有無を計算します(引き直し計算といいます)。

そして、

計算後の借金の額に対して支払い額の減額や利息カットの交渉をしかけていくのです。

先程の例でいうと、

100万円→70万円に減らす計算をした上で、

残った70万円に対して支払い額の減額及び利息カットの交渉に持ち込むのです。

この過払い金の計算は(よほどポンコツな事務所でない限り)、依頼者の要望の有無にかかわらず機会的にやる作業です。

任意整理手続には過払い金計算・請求がセットで組み込まれていると思って良く、別に依頼しなくても事務所が勝手にやってくれます。

過払い金が見込めればラッキーですよね…ほんと。

最近ではさすがに少なくなりましたが、4年~5年前は過払い金で借金が半分に減りましたー、

とか、

借金がなくなってお金が戻ってきましたー、

っていう嬉しい報告を依頼者にすることはしょっちゅうでした。

300万円の借金がある私としては、そういうのを見ると、いいな~、羨ましいな~、という気持ちが強かったのを覚えています。

私の借金は奨学金なので、過払い金は100%無いと断言できます(悲)

過払い金のある無しの判断方法は?

過払い金の有無を知りたいけど、

法律事務所に電話で相談するのは面倒だな~、

と感じる人もいると思います。

そんな方に向けて過払い金の有無の簡単な判断方法を紹介しておきます。

結局、過払い金っていうのは、

18%超の貸付だったら発生するし、

18%以下だったら発生しない

たったそれだけの話なんですが…

問題はいったいどのローンが18%以上の可能性があるのか、です。

それを知るにはちょっとしたコツがあります。

具体的な判断方法のやり方としては、

過払い金のあるものよりも過払い金が見込めないパターンを知るほうが手っ取り早いです。

以下の場合は、まず過払い金は見込めないと判断してOKです。

  • ショッピング枠のみでしかカードの利用経験がない
    (過払い金はキャッシングの利用が前提)
  • 借入当初から銀行のカードローンだった
  • 平成20年より後に発行したカードでのキャッシング

SPのみ、銀行、H20~

以上の三つのパターンは諦めモードです。

いずれも利率が18%以下に設定されていることがほとんどだからです。

法律事務所で働く従業員もこの三つの基準を元に過払い金の有無の判断をしているはずです。

この三つキーワードこそが過払い金の有無を判断するためのメルクマークですので、過払い金が気になる人は参考にしてもらえると幸いです。

ほか、モビットからの借入やプロミスのアットローンっていう商品など、

特定の業者や商品によってはその時点で確実に過払い金は見込めないとされるものもありますが、そのあたりの細かい判断はここでは割愛しておきます。

とりあえず上記の三つの条件にひっかからないのであれば、過払い金の発生につきそれなりに期待してもいいでしょう。

過払い金が期待できるひとへ、時効には注意しようぜ!

上記三つの基準に照らし合わせてみて、

あ、わたし対象になるかも…というひとはなるべく急ぎで調べたほうがいいのかなと思います。

とゆーのも、過払い金は時効によって10年で消滅するからです。

もっと急いでいれば借金が大幅に減ったのに、あるいはお金が戻ってきたのにという案件もちらほら見てきましたし、過払い金の取りっぱぐれは本当にもったいないです。

ちなみに10年という制限は「完済してから」10年の意味ですので、もう10年たったな…というひとでも完済歴がなければまだ期待できます。

ブラックリストを避けつつ、過払い金の調査はできます

借入のある状態で過払い金請求をした場合、

過払い金の額で借金がチャラにならない限り信用情報(俗言うブラックリスト)の影響は受けます。

過払い金で借金がチャラ→ブラックは避けられる

過払い金を充当してもなお借金が残る→ブラックになる

信用情報の影響を気にするひとにとって黒か白の全く異なる結論になるわけですが、いずれにせよ過払い金額の見積もりが立たないと判断できません。

そーいう人のために、

とりあえず過払い金の額だけ調査する(資料だけ取り寄せる)

といった対応を多くの事務所はやっています。

調査だけなら郵送代くらいしかかからないし、無料でやっている事務所もあります。

先程紹介した三つ判断基準に照らした上で過払い金が見込める人は、

信用情報が気になるから一切何も行動を起こさないといった、やるかやらないかの二者択一で決めるのではなく、とりあえずということで最低限の調査だけでもやっておいたほうがいいと思います。

何度も言いますが、

行動を遅らせたばっかりに過払い金が時効で時効消滅したというのは本当に損です。

【重要】過払い金に惑わされず、リボ払いの破壊力と向き合おう

過払い金はインパクトが強いので法律事務所に来所される方はみなさん気になるところです。

事務所に来訪して開口一番「過払い金はありますか? いくらありますか?」

と、前のめりで期待をぶつけてくる相談者もいます(笑)

まあ、過払い金で借金がなくなった!お金が戻ってきた!と聞けば誰だって、

私の借金は?

どうなの?

と期待するもの無理はないです。

しかし僕は任意整理を説明するにあたり過払い金については過度に推しすぎないようにしています。

サイト全体においても過払い金についてはあまり多くを記載しようとは思いません。

理由は以下の2点です。

  1. 最近はH20年~以降に借入をした人がほとんどなので、過払い金の対象となる相談者は昔と比べて少ない
  2. 過払い金に気をとらわれすぎると任意整理の本質的なメリットを見逃してしまうから

一時期に比べて過払い金の件数は少なくなっており、

私が法律事務所で勤務していた時の感覚だと、

過払い金が対象になる相談は1割~2割でしょうか、

平成20年頃は過払い金が対象にならない相談のほうが圧倒的に多かったと聞いていますから、

まあ隔世の感があります。

当時の法律事務所は儲かったでしょうね。

さて、大事なのは二つ目の理由です。

私が勤務していた時に感じたことなのですが、

過払い金にこだわりすぎている相談者があまりにも多いということです。

気持ちは分かります。

過払い金は派手ですし、得した感が強いです。

しかし、任意整理の本質的なメリットは、

支払いのストップ

支払い額の減額

利息のカット

にあると僕は思います。

支払いを止めたうえで、仕切り直しができる状態をつくることができる

支払額を下げることで毎月の支出を抑えることでき、借金をしなくてもまわしていける家計の状況をつくることが可能になる

利息がカットされることで完済までの道筋が明確になる

これらの効果はとても大きく、

数年かけて元金をしっかり返済することで貯蓄する上での基礎体力がつき、

ひいては借金に負けない平穏な生活を取り戻すことができるのです。

任意整理をすれば信用情報の影響でクレジットカードは使えなくなります。

手続きから4年を経過したあたりからまたカードは発行できるようになるのが一般ですが、それでもしばらくはカードに頼れない生活が続くわけです。

しかしこの一見デメリットに思える信用情報の影響すら、

借金に頼らないで生活をまわしていくための環境を整えるという意味では良い起爆材料になると思います。

私はカードが使えないくらいのほうがちょうどいい

こう語る相談者や任意整理経験者も少なくありません。

任意整理を活用することで借金を二度としないための習慣を獲得する、

このことに大きな意味があるのだと思います。

実はここだけの話…

過払い金のおかげで借金が労せずしてチャラになったり、はたまた多くの現金を手にしたりした依頼者の中には、

五年も経たないうちに再び債務整理事務所を訪れるパターンが多いのです。

なぜか?

また借りちゃうからです(笑)

嘘でもネタでもなく債務整理事務所のあるある話です。

ある意味ホラーです。

じゃあ何でそんな顛末になるかといえば、

おそらく借金をせずに生活をしていく習慣が身についていないからでしょう。

借金問題の本質は何かを問う良い例だと思います。

過払い金のある無しはオマケにすぎず、

カードローンに頼らず生活していく習慣を身につけることができる

任意整理をするメリットの本質はこことにあります。

一時的に入ったお金はいずれなくなりますが、一度身につけた習慣はずっと続きます。

まとめ

借金があっても過払い金が発生していれば元金は減らすことが可能です。

H20年以前銀行以外の消費者金融やクレジットカード会社からキャッシングをしていた人は過払い金が発生している可能性があるので、最低限、過払い金の見積もり額だけでも早めに調べておいたほうがいいでしょう。

何度も言いますが、時効で消滅するとかなり損です。

しかし一方で、

過払い金に惑わされず、

このまま返済を続けていたらいくらの利息を払うことになるだろう、

今の返済額のままで果たして生活が維持できるだろうか、

こういった点も踏まえて、

任意整理の本質的なメリットである、

利息のカットや返済額の減額についても意識しておくことが大切だと思います。