こんにちは、元債務整理事務所勤務のこーしんです。
今回は費用の話です。
債務整理の相談に来る人で費用を払えるかどうかを心配する人はとても多いのですが、ほとんど人は払えますので心配することはありません。
まず、任意整理の費用は分割払いOKが常識です。
そもそもお金に困っているひとを相手にする仕事なので、当たり前といえば当たり前ですけどね。
法律事務所に支払う費用も高額なイメージがありますが、
実際は費用を払っても金銭的に損をしない(もしろ普通に払ったよりも利益がでる)仕組みなっているのでご安心。そうなる理由の詳細は記事内で説明します。
さて、今回は
- 任意整理の費用は一括で払うの?
- で、分割は何回までOKなの?
- 分割費用が払えさそうな時はどーするの?
- 任意整理の事務所費用を払って損をしない理由
といった項目順にまとめました。
任意整理の費用は一括で払うの?
任意整理の費用は分割払いで大丈夫です。
(もしかしたら)一括じゃないと受けつけないぞ!という事務所も存在するのかもしれませんが、少なくとも私が務めた二つの事務所では分割払い対応可能でした。
前払い一括じゃないといけない事務所なんて正直聞いたことないです。
なので債務整理に関してはどこの事務所でも分割OKと思い込んで問題ないと思います。だって、一括で払えるような人ならそもそも借金の相談になんて来ないですから(笑)。
相談に来られる方の中には
任意整理は考えてるけど費用が払えるかどうか心配だ…
と、不安に思っている相談者の方はとても多いですのが、
費用は分割払いでいいです!(言い切る)
しかも、
任意整理の嬉しい効果でカード会社への支払いは止まりますので、
事務所費用の支払いと相手方への借金の返済が重なる心配も不要ですと案内すると、
ああ…よかった、それなら払える、
と胸をなでおろす様子を何度も見てきました。
「分割払対応可!」
このようにネットや雑誌で宣伝している法律事務所はよく見かけます。
ただこれではやや説明不足というか、
肝心な、支払いが止まることまで説明されていないことがほとんどです。相談に来られる方が不安がることも当然かなと思います。
例えば、
分割払いOKです(ニコリ)、月々の費用の支払いは4万でいいですよーとか言われても、4万円にプラスしてローンの返済も平行したら払えるわけないですからね。
しかし、実際は借金の返済を止めつつ、事務所費用を分割払いすることになるので、だいたいの方が無理なく支払えるわけです。
ただ、注意しておいてほしいことは、分割払いにも限度があるということです。
で、分割は何回までOKなの?
分割払いが対応可能といっても、
いくらでもいいのかといえばそれはちょっと違います。
法律事務所もボランティアではないので、なるべく早く費用を回収したいということも理由として挙げられますが、それよりももっと重要な理由があります。
すなわち、任意整理手続きの性質による限界です。
任意整理の性質??
分かりにくいですよね(笑)
では具体例を出しましょう。
あなたには100万の借金があるとして毎月の返済額は50,000円とします。
困ったあなたは何とかして返済額を下げたいと思いあなたは法律事務所を頼りました。
別の記事にも書きましたが、(例外はあるものの)貸金業者との分割交渉は60回払いが基本です。
そーすると、100万円÷60回=17,000円が交渉後の支払い額の目安となるわけです。
60回払いだと5年なので5年間にわたり17,000円を滞りなく払っていく必要があります。
にもかかわらず、
もし費用の支払いを月々10,000円に設定したら?
これから5年間にわたり毎月17,000円を払っていかなきゃいけない人が10,000円しか払えません、っていうのは整合性が取れないです。
任意整理手続きの性質による限界とはそーいうことです。
だから、費用の分割払いはどんなに甘くみても毎月17,000より下げることはできない、っていうのが法律事務所の都合でして、この都合はしごく真っ当なものです。
ちゃんとした事務所ほどこのルールはしっかり守るはずです。
分割費用が払えさそうな時はどーするの?
基本的に法律事務所から指定された分割費用が収められないってことは任意整理での解決が難しいってことを意味します。
しかし事情にもよります。
例えばボーナスが入るまでは費用の支払いを低めに設定してくれとか、
転職したばかりで初給料が入るまでは時間がかかるからそれまで待ってくれとか、
税金の滞納で差し押さを受けそうなので、とりあえず税金の支払いを優先したいとか、
いろいろなケースを見てきました。
このあたりはケースバイケースというか、担当弁護士や司法書士の判断によりますが、
直近の1ヶ月~3ヶ月さえ乗り切れればあと決まった費用をきちんと払っていけるはずだといった事情をきちんと説明できれば、ある程度の融通は聞いてもらえるはずです。
例えば、1月から費用の支払いが開始されるとして、
1月は初回だから5,000円でOK、でも2月からは1万7,000円づつ払ってねとか、
そういった処理の仕方は実際現場で働いていた時もよく見かけましたね。よくある話です。
任意整理の事務所費用を払って損をしない理由
任意整理をして法律事務所に支払う費用はそりなりに高いと思います。
費用が10万円を超えることも珍しくありません。なので躊躇してしまう人がいたとしても致し方ないのですね。
誰だって損はしたくないですから。
手続きすることで逆に損になるのではないか
逆に法律事務所にお金を騙し取られるのではないか
このように金銭的な面について心配に思われる相談者の方はたくさんいます。
特に借金で苦労している人はもうお金で失敗したくないっていう気持ちが強いので、疑心暗鬼になっている方が多いような気がします。
しかし、詐欺まがいの事務所を除いた前提で話をすれば(そんな事務所も滅多にないと思いますが…)、
任意整理をしたからといって金銭的な面で損をすることは通常ありません。
むしろ(金銭的には)得をすることがほとんどです。
なぜならば、任意整理をすることで高金利の利息が無くなるからです。
損をしない理屈を説明をします。
具体例を出しましょう。
金利15%で100万円のローンがあります。返済額は3万とします。
100万円を15%の利率で3万づつ返していった場合、完済までに支払う利息の総額は301,660円です。
あなたのカードローンは?支払う利息を知りたい場合はこちらのサイトで計算できます
そして、任意整理をして利息が無くなれば30万円のお金が浮くわけです。
費用を10万円支払ったとしても20万円の利得になります。
債務整理は生活の立て直しのためにするものなので、利得という表現は不適切かなとも思いますが、でもまあ、そーいうことです。
もちろん、単に利息が無くなるだけでなくて、おまけに返済額の減額も見込めるわけですから、助かりますよね。
債務整理事務所に費用を払っても損にはならないよ、ってことが何となくイメージできたのではないかと思います。
あ、たま~にですが、損になることもあるけどね…
たま~にだけど、
(ここだけの話ですよ?)
任意整理をすることで、金額的に損に転ぶことがあります。
利率18%の15万円のローンを5000円づつ返済してたとします。
この場合、任意整理をして浮く利息の総額は50,770円です。
任意整理で利息が無くなると50,770円の支払いは不要になるんだけれども、もし事務所に支払う費用が55,000だったら?
はい、4,230円の損失が生じます(苦笑)
ただし、これはあくまでも利息の側面だけみた結果ですので、
1,000円でも2,000円でもいいから支払い額を下げてほしいとか、
とにかく今現金が全く無いから、支払いを止めてほしい
ということであれば、十分に手続きをするメリットはあります。
まとめ
任意整理の費用は分割払いOKが常識です。
分割払いを認めない事務所を探すほうが難しいでしょう。
さらに、着手金不要の事務所を選べば、財布を持たない状態で相談にいって手続きをすることが可能です。
費用の支払い計画もある程度柔軟に対応してもらえます。
任意整理の手続きをしたいけど費用が払えるか心配…という方も多いと思いますが、そこは安心して良いでしょう。
任意整理をすれば相手方からの支払いがいったんストップするので、その間に費用を収めればOK
このあたりの仕組みがポイントです。
このへんは上手くできてると思います。