こんにちは、元債務整理事務所勤務のこーしんです。
リボ払いで苦しんだ人であれば嫌というほど思い知らされたと思いますが、
利息は悪魔です。
そして、今回は任意整理の利息軽減効果(=繰り上げ返済効果)についてお話したいと思います。
任意整理の嬉しいメリットの一つに、
利息がカットできる
という効果があります。
利息がなくなると、
返しても返しても借金が減らない
出口が見えない
私の人生って一生涯借金が減らないようにプログラムされているのでは?
はあ…もう疲れた
このような心理状態にまで追い込まれるのは借金の額が問題ではなくて、
借金の金利が高いことが問題の本質であることがほとんどです。
別記事でも紹介した通り、任意整理をすることで返済額を下げることは実現可能。
ただ、返済額が下がっただけでは意味がありません。元金が減らずその場しのぎにしかならないからです。
返済額の減額&利息のカット
この両輪が揃ってこそ任意整理はその威力を発揮するのです。
さて、今回は
- 任意整理で利息が無くなるって本当?
- 利息カットができない場合ってどんなケース
- 今すぐ計算できます。あなたが完済までに支払う利息は?
- 利息が無くなることの効果は思いのほか大きい
といった項目順にまとめました。
任意整理で利息が無くなるって本当?
結論からいうと、貸金業者からの借金は任意整理をすることで、
ほとんどの場合利息を0の形にもっていけます。
交渉期間中の利息までカットしてくれるかどうかは業者にもよりますが、交渉成立後の利息(将来利息といいます)に関してはなんだかんだ融通してくれるのが通常です。
交渉すればほとんどのケースで元金のみの形に持ち込むことができちゃいます。
返しても返しても借金が減らないという砂漠をさ迷い歩くような状況から、返したら返したぶんだけ借金が減るという健全な状況にもっていくことができるのです。
一部利息の交渉が厳しい業者もあるのは事実ですが、
(うちはブラックでも貸しまっせ!とネットやら雑誌で宣伝しているような業者に多いです)
テレビでCMをしているような大手のところや、有名デパートと提携しているクレジットカード会社であれば問題なく交渉可能と思ってもらっていいでしょう。
高い利率の利息は借金持ちの心をもて遊ぶ悪魔です。
しかし利息さえなくなってしまえば、親や兄弟からの借金と同じ状況を作り出せますから、返済義務があるとはいえ、精神的にはだいぶ楽になるはずです。
利息がなくなることとで、借金の返済というよりは、そうですね、家賃や光熱費と同じ毎月の支出という感覚に近くなるのではないしょうか。
僕も毎月2.3万円づつ奨学金を返済していますが、やはり感覚としては借金の返済というよりは生活維持費に近いものがあるかもしれません。
そして、そう感じる原因は利息が2%以下と限りなく低いからです。
住宅ローンや車のローンが分かりやすいですが、一口に借金といっても金利の%によって全く別モノになるんですよね。
利息がなくなると借金の種類や性質そのものが変わるのが大きいです。
利息カットが期待できない場合ってどんなケース?
利息交渉ができないパターンは、概ね以下の二つです。
- 取引期間が極端に短い
- そもそも相手が悪い
取引期間が短くて交渉NGの場合は、
あえて支払い実績を作ってから任意整理に踏み切る
という対策も考えられます。
私が勤務していた事務所でも、取引間が極端に短い依頼者については、2、3回支払回数を増やしてから交渉に入る方向で仕事を進めている先生もいましたね。
取引期間が極端に短い
経験上、半年未満の取引であれば交渉が険しくなってきます。
相手が優しい業者であれば、お金を借りてから3回程度払ってればまだなんとか交渉可能なこともあります。
(ちなみに、大手信販系のクレジットカード会社は支払い回数の条件について優しい場合が多い。優しすぎるとすら感じることがある)
しかし、極端な話、返済を1回もしていない状態、つまり借りたばっかりの状態で、利息を0にしてちょーだい!って言ってもそれは難しいことが多いです。
そりゃそうです。利息を全く払ってなければ向こうは何の利益も得てないわけで、むしろ郵送手数料や人件費のことを考えれば、利益0どころか損失です。
やはり目安として、取引期間が半年未満であれば、利息0交渉は厳しいのが一般でしょうか。
ただ、先程も言ったように、相手によっては2,3回払ってればOKということもあります。
本当に返済に困っている人は、安易に諦めずまずは法律事務所に相談するのが良いでしょう。
複数借り入れがある場合は、支払い回数が長いものだけ先に手続きをして短いものは支払いを何回か重ねてから交渉に踏み切るという選択肢もありますしね。
そもそも相手が悪い
弁護士が頑張ろうが大手の事務所が頑張ろうが、交渉には全く応じようとしない貸金業者は一定数存在します。
一定数の業社にはヤミ金と一部の街金が含まれます。
「ブラックでも貸します」と宣伝してるような、散臭いかつ小規模のところは交渉不能な業者に該当する確率が高いと思っていいでしょう。
なお、街金とは、ヤミ金とは違い貸金業法登録はしているものの小規模で地域に根ざした営業をしているような貸金業者のことを指します。
闇金=マイナーな消費者金融をイメージすればOK。
ただ、街金だから全く交渉に応じてもらえないかといえば必ずしもそうではなく、
ちゃんと対応してくれる街金もありますので。任意整理をお考えなら勇気をもって相談してみることをオススメしますし、
交渉可能な業者かどうかは、わざわざ法律事務所に足を運ばなくても電話で確認できるはずです。
あと、取引期間や相手が悪くて交渉が厳しいといっても、それはあくまでも任意整理の話であって。破産や再生であれば街金相手であっても手続きは可能です。
破産や再生は法的整理と言って、任意整理違い『法律の強制力』が働きますので。
今すぐ簡単に計算できます。あなたが完済までに支払う利息は?
利用しているカードローンの金利って何%ですか?
と訪ねて、だいたい14%か15%かな…と答えられる相談者はそれなりにいます。
しかし一方で、今の支払額で今後ずっと返済を続けた場合に完済までにかかる期間とクレジット会社に支払う利息の額はいくらかご存知ですか?
こう訪ねて答えが返ってくる相談者は一割未満です。十人いたら一人いるかいないかのレベル。
金利の%に加え、完済時期と支払う利息の総額を知っておくことは「事実上の」借金の額を知るうえでとても大切な情報です。
そんなの考えたこともなかった…っていう人は、
を利用して、今直ぐにでも確認しましょう。
打ち込むだけなので30秒で終わります。でもとても大切なことです。
リボ払いは天使で悪魔
例えば、金利18%で100万円を借りた場合、毎月3万円づつ返済していったとすると、完済までに支払う利息はいくらになるかイメージがつくでしょうか?
答えは…
完済までに支払う利息の額-396,666円
支払回数-47回(3年と11ヶ月)
です。
つまり利息と元金を合わせた借金の額は140万ということ。
元本は100万でも「事実上の」借金の額は140万にのぼるわけです。
しかも、これは4年間にわたり一切借りないで返済を継続をした場合の計算です。
家計のやりくりが厳しく、キャッシングやリボ払いに頼ってしまうとたちまち負の連鎖に追い込まれます。
返しては借りてを繰り返していれば、支払う利息はさらに高額になるのです。
恐ろしいことに元金の倍の利息を支払うケースも珍しくありません。
そんな大げさな…余裕のある月に多く返していけば利息も大したことないでしょ、
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
まあ、その通りです。
ただ、侮ってはいけないのは、カードローンにかかる利息だけじゃなく日常の生活コストです。
利息は計算で弾き出せます。
しかし、日常の生活コストというのは子供が生まれると途端に見えづらくなるという特徴があります。
子供成長によって生活費が変動するので、正確に計算しづらい側面があるのです。
不運なことに、今の日本で子育てをしながら家計を維持していくことは、年収700万~800万世帯でも決して楽ではないのが現実です。
子供が小さいうちならまだしも、小学校、中学校に進級するにつれ、やれ入学金だ、やれ制服代だ、やれ部活動費だ、と…まだ金とんのかい!と世の中を呪いたくなるほどの集金の嵐が家計を襲ってきます。
結局、借りた100万円が思ったとおりに減ることはなく、
返す→枠が空く→物入りでまた借りる、を繰り返していくうちに(繰り返すがゆえにたんまり利息をむしり取られることになる)、カードの枠は天井をついてしまい、
気がついたら二枚目のカードに手を伸ばしていた…という悪循環にはまりまるケースが多いのです。
法律事務所にはそういった人が毎日のように相談に訪れているのです。
高金利は家計を預かるものを疲弊させます。厄介です。
利息は悪魔
リボは悪魔
なんて大げさな表現だと笑う人もいるかもしれませんが、心を疲弊させる、結婚当初に描いたはずの平凡で幸せな生活を壊すという意味では、決して大げさな表現ではないと僕は思います。
完済までの利息を計算してみよう!
再度、完済までの利息を簡単に知ることができるサイトをご紹介します。
借入額、返済額、利息の%で打ち込めばOKです。
カードローンを利用中なら、
- 完済時期
- 完済までに支払う利息
この二つを知っておくことはめちゃめちゃ重要です。
住宅ローンだって組むときは、完済年齢と利率をめっちゃ気にしますよね。それを知っていないとライフプランが狂ってしまうからです。
カードローンも同じことです。
利息が無くなることの効果は思いのほか大きい
任意整理で利息が無くなると、払ったら払ったぶんだけ借金が減っていきます。
返済ペースがみるみるうちに上がるのを体感できます。
数字的にも有利に働きますが、それだけではなく気持ち的にも余裕が持てるのも大きいと思います。
例えば、任意整理をして100万円の返済額が2万円、利息無しになったとします。
返済がいつ終わるか?
答えは簡単。
100万÷2万円=50回(ヶ月)
です。
小学生でも計算できます。
利息が入っていたときとは打って変わって至ってシンプルに答えを導くことが可能になるのです。
月々2万円の支払いは大変かもしれません。でも、4年後には借金が0になるんだと自分を勇気づけることができるんです。将来設計もしやすくなるはずです。
払っているはずなのに全然減らない、っていうのは本当に心がヘトヘトになってしまいますよね。
リボ地獄と言われる所以です。
逆に、利息が無くなってゴールが見えると人間は前を向くことができます。
たとえ苦しくても、ゴールがイメージできるっていうことはとても大きいです。
利息が無くなったからといって借金がなくなるわけではないので、決して生活が優雅になるわけではないと思いますし、もしかすると生活の大変さは依然変わらぬままかもしれません。
それでも、ゴールが見えることで精神的にはずいぶん救われるはずです。ゴールがイメージできないことを地獄というのですから。
借金問題に限らず、問題を数字にして明確化するってことはめちゃめちゃ重要です。
将来の計画も立てやすくなります。
そして、ゴールが近くなればなるほど苦しさよりも早くゴールに辿り着きたいという気持ちが勝り、この心理的効果が問題解決のスピードを加速させるのだと思います。
そういった意味では借金返済はマラソンにも似た部分があると思いますね。
まとめ
任意整理をすることで、
利息を無くし元金のみの状態に持っていくことが可能です。
取引期間が極端に短い、一部厄介な貸金業者
などのレアケースを除けば、利息をカットする交渉は期待してOKです。
任意整理のメリットの一つとして返済額の減額というものがあります。
しかし、いくら返済額が下がったとしても利息が無くならないと完済するのは難しいですよね。
月々の返済は軽くなっても、返済の大部分を利息でもっていかれては意味がないからです。
返済額の減少と利息0
この二つの効果が期待できるからこそ任意整理は強力な効果を発揮するのです。
繰り返しになりますが、
任意整理するかどうかに関係なく、カードローンを利用しているのであれば、完済までに支払う利息の総額と完済時期、この二つは必ず押さえておきましょう。
完済時期はいつですか?
完済までに支払う利息はいくらですか?
まずはゴール(完済)を明確に設定しましょう。
問題の解決は問題を明確化することから始まるのだと思います。